令和2年度南砺市PTA連絡協議会 要望への回答
■教育について
①コロナ禍における学びついて
児童1人に対し1台、IT端末の整備を進めておられ、ICT教育に前向きに取り組んでいただいており感謝申し上げます。コロナ禍においてICT教育は大変有用であります。今後学校閉鎖もありうると想定し、構築と推進をしていいただくようお願いいたします。また、各学校間においてコロナ禍における学びについて格差が出ないようご配慮をお願いいたします。また現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
②新型コロナウイルス対策について
新型コロナウイルス感染症対策として、ICTを用いた取り組みも進めておられ感謝しておりますが、今後、学校閉鎖も想定したうえでの、対策の構築をお願いいたします。事前に保護者への理解と協力が必要であるならば、PTAも市・学校とともにコロナ禍において最善を尽くせるよう協力させていただきます。
【回答】
国のGIGAスクール構想に伴う1人1台タブレット端末の整備は、当初の予定通り、3月には全小中学校に配置できる見通しです。タブレット端末の本格的な使用は来年度以降となりますが、当初は学校の学習での運用を優先し、将来的には日常的に持ち帰ることを考えています。これから配置されるタブレット端末やこれらのソフトウェアを児童生徒や教員が、学校での授業で効果的に使いこなせることが重要となると考えています。
今後、学校の授業において実際に活用する一方で、教員に対しての使い方や授業での有効な活用についての研修等を並行して行い、オンライン授業など児童生徒がタブレット端末を利用する際のトラブルを最小限にした上で、長期休業や様々な理由から登校できない児童生徒へのリモート授業やオンライン授業が受けられる体制を模索していきたいと考えています。現在は、まず指導する教員が自由に使うことができるようになることが肝要と考え、教員の研修を進めているところです。
新型コロナウイルスの感染者の発生により、学校が臨時休校となった場合でも、12月に文部科学省から示された最新の衛生管理マニュアルから考えると市内の全校が一斉休校することは考えにくく、校区単位となることが考えられます。市では貸し出し用のモバイルルーターを準備し家庭でも学習できるよう準備しています。また、前回の休校と同様、日中、児童生徒を家庭に置いておくことが難しい場合は、学校へ来ていただくことを考えています。児童生徒それぞれの実態や家庭環境を考慮し、全員の学びの保障を確保できるようしていきます。
③ネットモラル教育について
コロナ禍もあいまって、対面接触を減らす意味でもネット上で様々な取り組みが行われ、触れる機会が増えています。今まで以上にネットモラルには敏感に対応しなければなりません。市・学校・PTAが手を取り合って児童にネットモラル教育やトラブル対応について啓蒙活動を行い、常日頃から健全な環境を保つために、協力しながら実践していければと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
【回答】
情報化社会が急速に進むこれからの時代を生きる児童生徒にとっては、ネットを介したトラブルの防止は避けて通れない課題となっており、さらなる指導の徹底が必要であると考えています。
これまでも、国・県の補助事業である「ネットトラブル防止等研修会」や「とやまの子どもネット対策フォローアップ事業」を活用して、児童生徒への指導・保護者への啓発を行っています。今年度は、上平小学校で11月にネットモラルルールづくり講座を行い、2月に親子でネットルールについて学ぶ機会を設けるという事例があります。
犯罪等に巻き込まれない児童生徒を育成するには、子供への指導だけでなく、保護者や家庭の意識を高めていただくことも必要不可欠です。学校と保護者の連携・分担を明確にしながら、保護者への啓発活動についても、国・県が実施する補助事業を有効に活用するなどし、支援していきたいと考えます。
④コロナ禍による教職員の負担について
新型コロナウイルス感染症対策について、通常の学校運営とともに入念に取り組んでいただいておりますが、対策をとっていたとしても、今後、学校を起点に拡大する恐れもあると考えられます。また感染症対策の実施は、通常の業務で忙しい教職員の新たな負担にもなっており、間接的に児童に対する影響も出てくるのではないかと危惧しております。教職員に対し負担減となる環境の整備をお願いいたします。また現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
【市回答】
国の事業により、新型コロナウイルス感染症対策や、学習の遅れへの対応等による教員の負担軽減を図るため、緊急スクール・サポート・スタッフを小学校には6月から中学校には10月から配置していただいています。小学校は、全9校、中学校6校で教員や養護教諭の補助を行っていただき、教職員の負担が軽減されていると思っています。
また、今年度から南砺市で本格実施した「チーム担任制」での学校運営は、チームの教員がそれぞれの得意分野を生かしながら児童生徒の質の高い学びを行うことができると同時に業務削減にも役立っていると考えています。今後も各学校でよりよい体制を目指して工夫・改善していくよう支援してきます。
⑤教員の業務について
学校現場の人員不足は、感染症対策もあいまった業務過多により大変な状況が続いており、教員の多忙化解消・教育水準の向上・社会教育の充実等は喫緊に検討していくべき課題であります。スタディメイト、なんとっ子学びサポーター、専科教員、ICT支援員、部活動指導員、コロナ対策関連スタッフ、学校と地域のつなぎ役など、国や県、そして南砺地域においても現在よく出てきている話題であり、教員へのサポートの充実は、子供たちにとっても大変有益なものとなります。現在の状況及び今後の見通しについてお聞かせ願います。
⑥特別支援教育の充実について
特別な支援が必要な児童への行き届いた教育を行うため、また多様性を受け入れる環境構築のためにも、スタディ・メイトの拡充やサポートの充実をお願いいたします。現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
【回答】
県から配置基準以外に配置いただいている職員は、
小学校では、
専科教員理科1名、外国語2名、体育1名の計3名
少人数指導等(少人数指導、通級指導、外国語指導 等) 12名 合計16名
中学校では、
少人数指導等(少人数指導、通級指導、カウンセリング指導 等) 10名
南砺市で配置している職員は
スタディ・メイト
小学校38名 中学校13名
適応指導員
小学校 7名 中学校13名
なんとっ子まなびサポーター
小学校11名 中学校 8名
外国人児童支援
小学校 4名
これは、他のどの市町村より手厚い配置となっております。
この他にも
ALT 7名
スポーツエキスパート 56名、部活動指導員 18名(昨年度より3名増)を配置しています。
また、今年度から、学校の現状に合わせて、なんとっ子まなびサポーターの業務内容を拡充しました。
さらに、新型コロナウイルス感染症による臨時休業時にも、業務内容の拡充の措置を取り、学校の実情に沿うように配慮してきたところです。今後も学校の実情に沿った配置となるよう努力していきたいと考えております。
■設備について
⑦不審者への対応について
近年、不審者の出没が多く発生しており、子どもたちへの危険が懸念されています。特に人家の少ない地域において危険を察知し、対策することは困難であり、出没情報も多い傾向があります。犯罪等を未然に防ぐためにも、第一に抑止効果のある監視カメラの設置が必要と考えます。そのためには設置場所の検討から入る必要があり、学校・PTA・地域等関係各所と話し合いの場を設け考えていく必要がありますが、ご協力をいただきたくお願いいたします。また現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
【回答】
防犯カメラを活用することは、犯罪防止や児童の見守りに対して大変有効であります。
市では、令和2年度から地域づくり協議会や地区自主防犯団体等が設置した防犯カメラに対して、補助金を交付する南砺市住宅街等防犯設備整備事業を行っています。
防犯カメラを設置する際は、各地域からの要望を踏まえた上、南砺警察署等の指導や助言を受けて設置しており、今年度も児童や地域住民の安全安心を目的として各地域に数多くの防犯カメラが設置されました。
来年度にあっても、児童の安心安全のため引き続き、各地域に対して防犯カメラの設置を促していきたいと考えています。
設置場所の検討や話し合いにつきましては、まずは、事業主体となる地域の了解が必要であると考えますので、各学校で行われている学校評議委員会にて議論を深めていければと考えています。
⑧玄関のオートロック化
生徒玄関・職員玄関のオートロック化について、完備されている学校とされていない学校があります。また中には全て手動の鍵の学校もあります。各校における玄関の位置関係や、玄関の仕様等はそれぞれ違いがあるかとは思いますが、不審者の侵入を防ぐためにもオートロック化は必要だと考えます。現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
【回答】
今年度、中学校3校に不審者対策及び侵入の抑止のため防犯カメラを設置しました。これにより、全小中学校に防犯カメラが設置されたことになります。現在、児童生徒玄関や職員玄関のオートロック化につきましては、大規模改修実施時に学校と施錠の運用についての協議を行い、主に職員玄関に設置しています。未設置の学校のオートロック化につきましては、まずは防犯カメラの設置による抑止及び手動による鍵の開閉にて運用していきたいと考えています。改修につきましては、各校の大規模改修時に日常の使い方や児童玄関の緊急時の開錠など、施錠の運用状況に合わせてオートロック化に改修していきたいと考えています。
⑨小学校施設付近の街灯設置について
小学校周辺における防犯対策として、街灯があることが有効であると考えます。小学生の帰宅時間から考えると街灯の設置は不要との意見も聞いておりますが、児童のみならず夜間における地域活動・スポーツ少年団活動の防犯対策、また緊急避難時の誘導においても、重要な役割を担います。そのためには設置場所の検討から入る必要があり、学校・PTA・地域等関係各所と話し合いの場を設け考えていく必要があります。実現へ向けてご協力をいただきたくお願いいたします。学校・PTA・地域等と話し合いの場を設け考えていく必要があります。実現へ向けてご協力をいただきたくお願いいたします。また現在の状況及び今後の見通しについて考えをお聞かせ願います。
【回答】
(生活環境課)
街灯(防犯灯)の設置につきましては、小学校の下校時間は日没前となっていますので必要はないと考えます。夜間の学校開放時の利用における防犯対策としての設置につきましては、各地域づくり協議会に交付している交付金の中に防犯灯の費用も含まれていますので、各地域づくり協議会にご相談いただきますようお願いいたします。設置場所についての検討につきましては、現在、各小学校区にて学校、PTA、国・県道路管理者、警察、市担当課にて構成する「南砺市通学路交通安全プログラム」を設置しており、通学路における危険個所の把握や改修要望など実際に現地確認を行い、共通理解を図っておりますので、その機会に協議していければと考えています。
⑩トイレの洋式及びウォシュレット化
城端・福光・吉江中学校においてトイレの洋式化工事が事業化されるとのことで、御礼申し上げます。洋式化については、児童の使用はもちろんのこと、地域行事等において地域の方々が学校内のトイレを使用する場合もあり、必須であると考えます。現在の状況及び今後の見通しについてお聞かせ願います。
【回答】
城端中、福光中、吉江中学校においては、令和3年度中に校舎及び体育館の和式トイレを洋式トイレに改修します。これにより、市内小中学校のトイレの洋式化については、概ね完了と考えております。今後、屋外に設置してあるトイレの改修については、日常の使い方や使用頻度など状況を確認しながら整備について検討していきたいと考えています。
改修する洋式トイレは他校との改修内容と同等に温式便座にて改修し、ウォシュレットにつきましては、設置する予定はありません。
■市と市PTAとの検討材料
⑪学校再編について
本年度学校のあり方検討委員会が開かれ、市PTAより9名の委員選出をさせていただき、PTAの考えが重要であるとの認識を持たせていただいております。また部活動のあり方についても同様です。他にも、旧町村や現学校区における地域の考えや、学校規模の違いによる少人数学級や学級編制の問題など、様々な観点から考えていく必要があり、一筋縄ではいかないとは思いますが、今後も最もタイムリーな位置にいるPTAと継続して協議の場を作っていければと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
【回答】
将来を見据えて、子どもにとって望ましい教育環境や学校運営を最優先事項として「南砺市立小・中学校のあり方」を検討するため、令和2年9月に「南砺市立学校のあり方検討委員会」が設置され、1月に提言を受けました。その中で、概ね5年毎に「南砺市立学校のあり方検討委員会」を設置し、将来の児童・生徒数の見通しを踏まえて、望ましい学校の設置や運営のあり方について再度協議すること。
今後は、本検討委員会での提言内容の周知を図るとともに、保護者など地域の意見を広く聴くこと。が謳われており、教育委員会でもそれに従って協議の場を作っていく予定でおります。市PTAでも5年ごとの協議の場を待たず、折を見て学校のあり方、部活動のあり方について協議をしていただければ幸いだと思います。
⑫放課後の児童の預かりについて
昨今の保護者のニーズに応えていくためにも、放課後学校対応不可の時間帯における児童の預かりについて、施設利用の時間延長や休日対応など放課後施設のあり方を、PTAと行政で考えていく必要があると考えます。
【回答】
放課後の児童の預かり、時間延長、休日対応等については、適宜、保護者ニーズの把握に努めながら、PTAとともにそのあり方を検討してまいりたいと考えています。
⑬スクールバス利用の登下校について
中学生の冬季降雪期間中のスクールバス利用については、大変ありがたく今後も継続をお願いいたします。また冬季期間中に限らずとも、児童の防犯や安全のためにもスクールバスの有用な利用方法があるのではないでしょうか。学校・PTA・地域等関係各所と話し合いの場を設け、議論を深めていければと考えます。
【回答】
冬季間における下校バスの運行につきましては、降雪期における通学の危険を最小限に抑えるためにも有効であり、継続して実施していきたいと考えています。
冬季間以外のスクールバスの利用につきましては、小学校児童の登下校時にはバスの乗車定員上、中学校生徒の乗車は困難となっています。近年のクマの大量出没や不審者対応など、運行状況を考慮しながら、状況に合わせて対応できるよう検討したいと考えています。
話し合いの場については、各学校で行われている学校評議委員会にて議論を深めていければと考えています。
⑭除雪対策について
除雪については、南砺市以外の地域と比較しても、南砺市はきめ細やかで十分な対応をしていただいていると感謝しております。歩道(通学路)の除雪については、降雪のタイミングや小型除雪機の使用による人的負担などもあり、なかなか行き届かない現状があることも承知しておりますが、歩道がある以上、児童が車道にはみ出しながら登下校することは安全上あってはならないと考えます。学校・PTA・地域等関係各所と話し合いの場を設け考えていく必要がありますが、実現へ向けてご協力をいただきたくお願いいたします。
【回答】
(建設維持課)
南砺市が管理する市道1.340kmには、124.8kmの区間に総延長156.5kmの歩道が整備されており、冬季間は80.9kmを14台の除雪機械にて歩道除雪を行っています。
市では、児童が安全に登下校出来るように、多くの児童・生徒が歩行する学校周辺の通学路や、自動車交通量の多い幹線道路について歩道除雪を行っておりますが、全ての歩道を除雪することは除雪機械やオペレーターの確保もあり困難と考えております。
安全な通学路の確保のためには、地域やPTAなどのご理解ご協力が絶対に必要と感じており、学校・PTA・地域等関係各所との話し合いについて、市教育委員会を窓口に開催いただきたいと思っております。